シルクスクリーン製版が簡単になるGOCCOPRO!
最近Tetra StyleはガーメントプリンタというTシャツ用のインクジェットプリンタに挑戦し、赤レンガ倉庫ではカスタムオーダーTシャツの受注を行いました。
しかし布用インクジェットプリンタは最近出始めたもの。
皆さんが手にしているTシャツのプリントの殆どは、シルクスクリーンという手法で印刷されています。
ならばそのシルクスクリーンについても知りたい!ということで、理想科学工業株式会社さんのシルクスクリーン機材展示フェアにお邪魔してきました。
そもそもシルクスクリーンってなに?
シルクスクリーンとは、インクが通過する穴(ここが絵柄になる)とインクが通過しないようにマスクした部分とで構成された版を作り、プリントするという孔版画の一種。しかし実はこの版を作るという作業が結構大変。
フレーム作って、紗張して、乳剤塗って、乾燥させて、露光して、水洗いして、また乾燥させて……
手間暇がとても掛かるので、主にここにコストが掛かります。とは言え、一度作ってしまえばその版は何度でも使用できるため、刷れば刷るだけ版代も分散されていきます。
1枚の単価を下げるためにも大量生産にする必要があるのですね。
逆に枚数が少ないと1枚がかなり割高になってしまい、小ロット生産には向きません。
そこで登場 GOCCOPRO(ゴッコプロ)!
さて、そんな大変で高価になりがちな版作りを簡単・低コストに抑えるのがGOCCOPRO QS200です。
これはなんと、パソコンからダイレクト製版することができるというスグレモノ!
これがあれば乳剤も露光処理も水洗いも不要なんですよ!すごくないですか?
データを送信すると短時間で製版を完了してくれます。
まずはフレームに専用のスクリーンメッシュを貼って固定します。
これをGOCCOPROに設置して、あとはパソコンからデータを送るだけ!
はい、これで版は完成です!なんて簡単なんだ!!
なんと持ち込んだデータで、てとらの版も作ってくださいました!
illustratorのデータをパソコンからGOCCOPROへ送信!
あっという間にてとらシルク版が完成!
版ができたらプリントしてみよう♪
さて、版が出来たら次はプリント!
版を刷り台に設置します。
今回はシンプルに1色刷り。
粘り気のあるシルクスクリーン用のインクを乗せたら、スキージーを使って手前に引きます。すると……
で、できたー!てとらのシルクスクリーン印刷ができました!
あとはこれを乾燥させて完成♪ おぉ、本当にあっという間にできちゃった!
小ロットでもシルクスクリーンの時代に?
これだけ簡単・低コストでシルクスクリーン版が出来るとなると、今までの「シルクスクリーン=大量生産」という常識が覆りそうです。
シルクスクリーンはインクジェットプリンタに対し、様々なインクを使用することができるため、アイディア次第でおもしろい印刷ができます。
例えばラメ入り、蛍光、厚盛、ひび割れなどなど。さらに工夫するとこんなのも。
こちらはインクを厚盛にして印刷されたタグ風のプリント。
なんと革っぽく見えるタグ部分も、縫い目(糸)に見える部分も、焼き印に見える部分も全部インクを厚盛にして出来たものなんですよ!
こちらは3D眼鏡を使うと模様が立体に見えるプリント!!
いやほんと、シルクスクリーンの可能性ってすごいです…。
今までこういった特殊なプリントはシルクスクリーン版の特徴から大量生産しないとなかなかチャレンジしにくいものでしたが、今回のGOCCOPROが登場したことでシルクスクリーンが低コスト・小ロットで出来る日も近いかもしれませんね!