色塗りが終わったけど、なんだかイラストが寂しい…もうちょっとパッと華やかにさせたい…という時の仕上げ加工講座です。
操作方法自体はそこまで詳しく説明していませんが、「この加工をするとこういう効果が生まれます」と説明していますので、必要に応じて欲しい効果の加工を取り入れてみてください。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)とPhotoshopを使用していますが、そんなに特殊な機能は使っていないので、他のソフトでも同様の機能があれば真似できると思います。それでは早速いってみましょう!
何も加工していない状態
こちらは塗り終わった未加工の状態です。
線画と塗りでレイヤーが分かれており、クリスタで作業をしています。
全体的もっと明るく幻想的な雰囲気にしたいので、ここから色々な加工を加えていきます。
線画を色トレスして雰囲気を変える
色トレスとは線画と塗りをなじませるために、線の色を隣接する塗りと近い色に変えていくことです。線がなじんで空気感がでます。
主線の色を変えるだけでも印象がかなり変わりますので、色トレスするのは大変!という方も、黒い線から焦げ茶やイラストのイメージにあったカラーなどに変えてみると楽しいですよ。
クリスタを使用している方は色トレスで素材検索するとオートアクションが見つかりますので、それを使用すると楽ちんです。私は今回こちらのオートアクションを使用させて頂きました。
もちろん新規レイヤーを線画レイヤーにクリッピングして、ブラシツールなどで隣の色を拾って塗っていくのでもOKです。
環境光を描き加えて雰囲気UP
今回のイラストは上にある月から黄色い光が出ているので、もっと黄色っぽく光らせることにしました。塗りの上に新規レイヤーを作成、ブラシで光らせたい部分に黄色を置いて、合成モードをオーバーレイにします。
こうすることで要所要所に黄色みが足され、月の光を受けているように見えるようになりました。
ノイズを加えて情報量を増やす
ノイズを加えることで、イラストを見た時の情報量を増やします。
塗りが単調になるのを防いだり、アナログっぽさを出したりできます。
今回はざらっとしたノイズテクスチャを透明度80%の焼き込みレイヤーで加えましたが、ランダムに描かれた水彩テクスチャなどを重ねても面白いです。透明度や合成モードをいろいろいじってみて合うものを探します。
焼き込みレイヤーで重ねると色が濃くなってしまうので、塗りレイヤーを10%ほど明るく調整すると良くなります。
ぼかして空気感を出す
さて、ここまで加工したら一旦これまで作ったすべてのレイヤー(線、塗り、加工レイヤー)を複製し、それらをひとつに結合します。(必ず複製してから結合してください!)
全て結合したレイヤーを3枚複製します。内2枚をガウスぼかし(ぼかす範囲25)をかけます。ぼかす範囲は解像度によって異なりますが、とりあえずピント合ってないなー!ってくらいぼかします。
下のぼかしレイヤーは透明度20%、上のぼかしレイヤーは透明度54%に下げます。
下のぼかしレイヤーは優しい雰囲気作りのためです。
透明度20%まで下げると元のイラストが少し滲んだようになり、全体がふんわります。
上のぼかしレイヤーは見て欲しい場所のピント合わせに使います。
キャラクターの顔など重要なところは柔らかい消しゴムで消し、四隅は残します。こうすることでピントの合ってる場所とボケてる場所ができます。
一番上のレイヤーは合成モードをソフトライトにし、透明度を25%に下げました。こちらはコントラストを微調整するためです。
色味を調整する
ここでクリスタからPhotoshopに移動してきました。
(そのままクリスタでもできます。)
上記で加工したレイヤーを再び全て複製してから結合します。
ここで全体の色味を調整します。
先程部分的に黄色の光を足しましたが、塗りの段階から月の光を意識しすぎて全体的に黄色に寄りすぎた気がしたので、色相を赤みに寄せます。
彩度も+10しました。
レベル補正レイヤーを使って発光させる
これらの元レイヤー、色調補正レイヤー2つをさらに複製、結合したレイヤーを作ります。
そのレイヤーにレベル補正をかけます。3つの三角を右側に寄せてコントラストを上げまくって半分くらい黒くします。補正レイヤーを結合し、合成モードをスクリーン、透明度を30%に下げます。
ふんわり発光させることができます。
色レイヤーを乗せて全体の色味をまとめる
最後に赤い塗りつぶしレイヤーを一番上に乗せ、合成モードをオーバーレイ、透明度を6%にしました。
隣同士に並べてもわかりにくいのですが、レイヤーをオンオフすると結構違いが分かります。ささやかな違いと言えばそうなのですが!
これにて仕上げ加工作業は終了です!お疲れさまでした!
完成!
左が加工前、右が加工後です。
こんな感じでガラリと雰囲気が変わりました!
ひとつひとつの加工は変わったかな?どうかな?というくらいのものですが、ちょっとずつ微調整すると最終的にはだいぶクオリティがアップします!
全てをやる必要はないかもしれませんが、ぜひ自分のイラストにあった加工方法を色々挑戦してみてくださいね♪
少しでもお役に立てれば幸いです!
それでは良いお絵かきライフを!!