brother社製ガーメントプリンターでセミオーダーTシャツを作りました

2014年8月19日 at 5:23 PM

赤レンガ倉庫のイベントでは、Tシャツのセミオーダーを受け付けました。
ご購入して下さった方、ありがとうございました!
特に従来のファンから好評で、まとめ買いをして下さった方も…嬉しい♪

Tetra Style スペード柄てとらTシャツ

さて、今回は、このTシャツがどうやって作られたのか?というお話です。

Tシャツといったら、キャラクター商品の定番!
Tetra Styleもずっと作りたかった商品(リクエストも多かった)なのですが、これがなかなか実現が難しかったのです。

なぜなら、小ロットでの制作ができないから。

しかも、レディースサイズもメンズサイズも、キッズの10センチきざみのサイズも欲しいし、色も柄もたくさんある中から選びたい…!それがTシャツというもの。

でもそうするとなおさら在庫を持ちにくい。組み合わせだけで何百種類にもなってしまうのです。

なんとか多品種少量生産を実現したい…むしろ、必要なサイズや色だけをセミオーダーで作れたら理想的です。

そこで見つけたのが、業務用インクジェット機、ガーメントプリンター

 

スイアイコン ガーメントプリンターとは?

ガーメントとは、衣類のこと。
まさにTシャツを印刷するためにあるインクジェットプリンターです。

家庭にある紙用のインクジェットプリンターと同じ感覚で使うことが出来ます。
つまり、パソコンのデータをプリンターに送れば、Tシャツに直接印刷することができるのです。

一般的なスクリーン印刷では、多くの工程を経て「版」をつくり、それを布の上にのせて、インクを調合して、一色ずつ色を塗って…と、とても手間がかかる。
しかも同じ版を使い続けなければコスト的に元がとれません。

でもインクジェットプリンタだったら、一枚ずつ「印刷」するだけ。
デザインも一枚ずつ変更できます。

だから沢山試作品を作りながら

「やっぱり、このイラストはもっと小さくする?」

といった微調整もできますし、
一枚ずつ違う名前やシリアルナンバーを入れることだってできちゃいます!

 

tetra 製作工程

今回は、ある工房でbrother社ガーメントプリンターGT-381を使う機会を得ることができました。

自分だけのTシャツがスマホで作れると話題になったユニクロの「UTme!」もめざましテレビで紹介されていたようにブラザーさんのガーメントプリンターを使用しているとか!

まず、表面のほこりやシワをとります。

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次に、白インクを使う場合は下処理剤を噴射し、ヒートプレスで熱を与え、平らにします。

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プラテンという、Tシャツを載せる台をセッティングします。

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プリンタのインクはこんなかんじ。タンクが大きいですね! 特に白インクは絵柄の下にたっぷり敷くことが多いのでたくさん入っています。

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ついにプリント!動画を撮影したので御覧ください。

 

できましたー!!! 細かい部分まで、とても綺麗に印刷されています。

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最後に、水を吹きかけながらヒーターで温めてインクを定着させます。 必要に応じて何度か温めます。

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しっかり干して、完成です。

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usagi Tetra Styleはこう思った

これまでもパーソナルファブリケーション(レーザカッターとか)と呼ばれる分野に積極的に参加して最新技術との融合を目指してきたTetra Styleですが、まさかオンデマンド印刷技術がここ数年でめきめき進歩しているとは、気付いていませんでした。

布に手軽に印刷ができるというのは実はすごいことです。

だって、身の回りの日用品のあらゆるものが布でできているから。

Tシャツなどの衣服はもちろん、カーテン、テーブルクロス、ソファ、クッション、枕、ベッドシーツ…
見渡してみれば、家の中には布製品がいっぱい。

Tetra Styleの目標のひとつが、これまで額に入れて「鑑賞」する用途しかなかったイラストレーション絵画をもっと日常に取り入れること。

絵を描く人やグラフィックデザインをする人がガーメントプリンターを手にしたら、どんなものが生まれてくるでしょう?

Tetra Styleは、引き続きオンデマンド印刷の可能性を探るべく、いろいろな製品を作っていきたいと考えています。

 


 

cona こちらもどうぞ

シルクスクリーン製版が簡単になるGOCCOPRO!

2014年8月19日 at 1:06 PM

最近Tetra StyleはガーメントプリンタというTシャツ用のインクジェットプリンタに挑戦し、赤レンガ倉庫ではカスタムオーダーTシャツの受注を行いました。

しかし布用インクジェットプリンタは最近出始めたもの。

皆さんが手にしているTシャツのプリントの殆どは、シルクスクリーンという手法で印刷されています。

ならばそのシルクスクリーンについても知りたい!ということで、理想科学工業株式会社さんのシルクスクリーン機材展示フェアにお邪魔してきました。

 

しぃる そもそもシルクスクリーンってなに?

シルク版

シルク版

 

シルクスクリーンとは、インクが通過する穴(ここが絵柄になる)とインクが通過しないようにマスクした部分とで構成された版を作り、プリントするという孔版画の一種。しかし実はこの版を作るという作業が結構大変。

フレーム作って、紗張して、乳剤塗って、乾燥させて、露光して、水洗いして、また乾燥させて……

手間暇がとても掛かるので、主にここにコストが掛かります。とは言え、一度作ってしまえばその版は何度でも使用できるため、刷れば刷るだけ版代も分散されていきます。

1枚の単価を下げるためにも大量生産にする必要があるのですね。

逆に枚数が少ないと1枚がかなり割高になってしまい、小ロット生産には向きません。

 

tetra そこで登場 GOCCOPRO(ゴッコプロ)!

GOCCOPRO QS200

GOCCOPRO QS200

 

さて、そんな大変で高価になりがちな版作りを簡単・低コストに抑えるのがGOCCOPRO QS200です。

これはなんと、パソコンからダイレクト製版することができるというスグレモノ!

これがあれば乳剤も露光処理も水洗いも不要なんですよ!すごくないですか?

データを送信すると短時間で製版を完了してくれます。

 

紗張

専用のスクリーンメッシュを貼る。

 

まずはフレームに専用のスクリーンメッシュを貼って固定します。

これをGOCCOPROに設置して、あとはパソコンからデータを送るだけ!

はい、これで版は完成です!なんて簡単なんだ!!

製版

製版完了!

 

なんと持ち込んだデータで、てとらの版も作ってくださいました!

てとらのデータ

illustratorのデータをパソコンからGOCCOPROへ送信!

てとらシルク版

あっという間にてとらシルク版が完成!

 

スイアイコン 版ができたらプリントしてみよう♪

さて、版が出来たら次はプリント!

版を刷り台に設置します。

刷り台

刷り台

 

今回はシンプルに1色刷り。

粘り気のあるシルクスクリーン用のインクを乗せたら、スキージーを使って手前に引きます。すると……

シルクプリント

インクをのせて手前に引く!

 

で、できたー!てとらのシルクスクリーン印刷ができました!

あとはこれを乾燥させて完成♪ おぉ、本当にあっという間にできちゃった!

シルク印刷されたてとら

シルク印刷されたてとら

 

カイアイコン 小ロットでもシルクスクリーンの時代に?

これだけ簡単・低コストでシルクスクリーン版が出来るとなると、今までの「シルクスクリーン=大量生産」という常識が覆りそうです。

シルクスクリーンはインクジェットプリンタに対し、様々なインクを使用することができるため、アイディア次第でおもしろい印刷ができます。

例えばラメ入り、蛍光、厚盛、ひび割れなどなど。さらに工夫するとこんなのも。

特殊プリント1

 

こちらはインクを厚盛にして印刷されたタグ風のプリント。

なんと革っぽく見えるタグ部分も、縫い目(糸)に見える部分も、焼き印に見える部分も全部インクを厚盛にして出来たものなんですよ!

 

特殊プリント2

こちらは3D眼鏡を使うと模様が立体に見えるプリント!!

いやほんと、シルクスクリーンの可能性ってすごいです…。

 

 

今までこういった特殊なプリントはシルクスクリーン版の特徴から大量生産しないとなかなかチャレンジしにくいものでしたが、今回のGOCCOPROが登場したことでシルクスクリーンが低コスト・小ロットで出来る日も近いかもしれませんね!