電解マーキングで金属にイラストを描く!

2014年8月25日 at 5:26 PM

電解マーキング01

紙や布へのプリントはインクジェットプリンタで出来る。

じゃあ金属にイラストを描きたいときはどうするの!?

さて、今回は印刷…とはちょっと違う、電解マーキングについてです。

今回も理想科学工業さんとDIY女子部さんが主催するワークショップにお邪魔させて頂きました。

まずは「電解マーキング」という言葉を聞きなれない人が多いと思うので、その説明から。

 

しぃる 電解マーキング?

『電解マーキングとは、電気の腐食作用で金属の表面にマーキングする技術です。

シルクスクリーンの版と電解マーキング装置を組み合わせ、通電してエッチングします。

通電可能な金属素材が対象です。』

(理想科学工業株式会社電解マーキングの資料より)

 

ふむふむ…わかったような…わからないような……。

とりあえず、制作工程を見てみよう。

今回はステンレスの板に、持ち込んだデータをマーキングしてみます。

 

電解用データ(Tetra Style)

持ち込んだ電解用データその1

 

電解用データ(かわいいうさぎ)

持ち込んだ電解用データその2

 

 

tetra またも登場 GOCCOPRO(ゴッコプロ)!

GOCCOPRO100

GOCCOPRO100

 

前回はGOCCOPRO QS200という機種でしたが、今回は もっと小型のGOCCOPRO100です。

こちらは本当に家庭にある普通のプリンタみたいなサイズと動きで、PCからデータを送って印刷ボタンを押すと、すぐにぺろっとスクリーン版が製版されてでてきます。

相変わらずお手軽。うーん、便利。

前回はシルクスクリーンに使用しましたが、今回は電解マーキングなので枠にはめたりはせず、版をそのまま使います。

抜けている絵柄の部分が分かりにくいので、マジックで絵柄の四隅にちょんちょんと印を付けます。

電解マーキング版

試し用のステンレス台の上に版をテープで固定。

ん?このステンレス台に繋がってる赤いクリップのコードはなんだろう?

電解マーキング02

 

 

cona 電解マーキング装置 GP-8r!!

電解マーキング装置GP-8r

電解マーキング装置 GP-8r

 

これが電解マーキングする装置!これにつながっていたんですね。こちらの機械もかなり小型です。

もう一方の黒いクリップのコードはハンドマーカーに繋がっています。

ハンドマーカー

ハンドマーカー

 

シートと試し台の間に本番用のステンレス板をセット。

ハンドマーカーの先を電解液に浸し、スイッチを入れて、スクリーン版の上を軽くくるくる当てていきます。

ハンドマーカーをくるくる…

ハンドマーカーをくるくる…

 

スクリーン版をめくって、ステンレス板を水で磨いてみると ……

ステンレスに電解マーキング(Tetra Style)

じゃじゃーん!!!

こんなに綺麗にイラストが描けました!!

金属を腐食させているので、インクと違って擦っても消えません♪

ちなみに電解マーキング装置をよく見ると、「Black」「White」のスイッチがありますね。

そう、実は白色に描くこともできちゃうんです!

それがこちら。白もかわいい☆

ステンレスに電解マーキング(かわいいうさぎ)

金属に描くのもこんなに簡単にできるようになったんですね…!感動です。

ちなみに電解マーキングという手法自体は新しい訳ではないのですが、GOCCOPROで手軽に作れるようになった版を応用するために電解マーキング装置GP-8rが作られたんだとか。

(電解マーキング装置GP-8rのGPはGOCCOPROのGPなんですって。)

 

さぁ、これを使って何を作り出そうか……わくわくが止まりませんね!

シルクスクリーン製版が簡単になるGOCCOPRO!

2014年8月19日 at 1:06 PM

最近Tetra StyleはガーメントプリンタというTシャツ用のインクジェットプリンタに挑戦し、赤レンガ倉庫ではカスタムオーダーTシャツの受注を行いました。

しかし布用インクジェットプリンタは最近出始めたもの。

皆さんが手にしているTシャツのプリントの殆どは、シルクスクリーンという手法で印刷されています。

ならばそのシルクスクリーンについても知りたい!ということで、理想科学工業株式会社さんのシルクスクリーン機材展示フェアにお邪魔してきました。

 

しぃる そもそもシルクスクリーンってなに?

シルク版

シルク版

 

シルクスクリーンとは、インクが通過する穴(ここが絵柄になる)とインクが通過しないようにマスクした部分とで構成された版を作り、プリントするという孔版画の一種。しかし実はこの版を作るという作業が結構大変。

フレーム作って、紗張して、乳剤塗って、乾燥させて、露光して、水洗いして、また乾燥させて……

手間暇がとても掛かるので、主にここにコストが掛かります。とは言え、一度作ってしまえばその版は何度でも使用できるため、刷れば刷るだけ版代も分散されていきます。

1枚の単価を下げるためにも大量生産にする必要があるのですね。

逆に枚数が少ないと1枚がかなり割高になってしまい、小ロット生産には向きません。

 

tetra そこで登場 GOCCOPRO(ゴッコプロ)!

GOCCOPRO QS200

GOCCOPRO QS200

 

さて、そんな大変で高価になりがちな版作りを簡単・低コストに抑えるのがGOCCOPRO QS200です。

これはなんと、パソコンからダイレクト製版することができるというスグレモノ!

これがあれば乳剤も露光処理も水洗いも不要なんですよ!すごくないですか?

データを送信すると短時間で製版を完了してくれます。

 

紗張

専用のスクリーンメッシュを貼る。

 

まずはフレームに専用のスクリーンメッシュを貼って固定します。

これをGOCCOPROに設置して、あとはパソコンからデータを送るだけ!

はい、これで版は完成です!なんて簡単なんだ!!

製版

製版完了!

 

なんと持ち込んだデータで、てとらの版も作ってくださいました!

てとらのデータ

illustratorのデータをパソコンからGOCCOPROへ送信!

てとらシルク版

あっという間にてとらシルク版が完成!

 

スイアイコン 版ができたらプリントしてみよう♪

さて、版が出来たら次はプリント!

版を刷り台に設置します。

刷り台

刷り台

 

今回はシンプルに1色刷り。

粘り気のあるシルクスクリーン用のインクを乗せたら、スキージーを使って手前に引きます。すると……

シルクプリント

インクをのせて手前に引く!

 

で、できたー!てとらのシルクスクリーン印刷ができました!

あとはこれを乾燥させて完成♪ おぉ、本当にあっという間にできちゃった!

シルク印刷されたてとら

シルク印刷されたてとら

 

カイアイコン 小ロットでもシルクスクリーンの時代に?

これだけ簡単・低コストでシルクスクリーン版が出来るとなると、今までの「シルクスクリーン=大量生産」という常識が覆りそうです。

シルクスクリーンはインクジェットプリンタに対し、様々なインクを使用することができるため、アイディア次第でおもしろい印刷ができます。

例えばラメ入り、蛍光、厚盛、ひび割れなどなど。さらに工夫するとこんなのも。

特殊プリント1

 

こちらはインクを厚盛にして印刷されたタグ風のプリント。

なんと革っぽく見えるタグ部分も、縫い目(糸)に見える部分も、焼き印に見える部分も全部インクを厚盛にして出来たものなんですよ!

 

特殊プリント2

こちらは3D眼鏡を使うと模様が立体に見えるプリント!!

いやほんと、シルクスクリーンの可能性ってすごいです…。

 

 

今までこういった特殊なプリントはシルクスクリーン版の特徴から大量生産しないとなかなかチャレンジしにくいものでしたが、今回のGOCCOPROが登場したことでシルクスクリーンが低コスト・小ロットで出来る日も近いかもしれませんね!